2018年度修士制作|横江望

震災復興の計画は小さな土地を置き去りにする。包括的かつ普遍的な解答に正当性を見出し、人のいなくなった土地は新たな土地として綺麗に整えられる。私が生まれ育った宮城県石巻市雄勝町は東日本大震災により大きく姿を変え、現状は大型トラックが集積する工事中の町である。この町の行く末が人で溢れる輝かしい未来となることを想像するのは困難である。 終息していく漁村集落において、人々が活き活きと生活をしていた記憶を土地に残す方法を模索するとともに、集落に関係する人々の生活がいささか向上するような土地のしまい方を提案する。