グリーンプラネット

2010年度|東京都墨田区|パブリックアート

GTS(芸大・台東区・墨田区) 環境アートプロジェクト2010

  • 隅田川沿いに設置されたスカイツリーを眺めるためのオブジェ

敷地は東京都台東区の隅田川沿いの、隅田公園内の桜並木の一角に位置している。隅田川の対岸には、首都高や、アサヒビールの本社の社屋や墨田区役所の高層ビルが建ち、さら奥には建設中のスカイツリーが見える。
直径7メートルの大きなおわんのような半球状の鉄板が、スカイツリーの方角に傾いて建ち、おわんの下部には、高さがそれぞれ違う6つの覗き穴が空いている。その穴からおわんの内側に顔を出してみると、おわんの縁が周りの景色をトリミングをするように切り取り、この場所の魅力を読み取りながら開けた穴は、周りの高層の建物が遮断されスカイツリーだけが見える景色、アサヒビールのスタルクのオブジェまでもが見える景色、対岸の景色は見えないけれど周りの桜の木々と空だけが見える景色などのそれぞれの固有の視界を造り出している。おわんの中には植物(ハツユキカズラ)が植えられており、まるで草原の中に寝転んだような感覚を起こし、周りの雑然とした世界とは別の、異世界が広がっている。