2011-2016年度|新潟県新発田市|新築|永代墓|2017年度グッドデザイン賞受賞
納骨堂や墓は、人の生と死を分ける場である。
死について調べていると、仏教の死生観の中に「空無」という考え方があることを知った。
「空無」
何もないこと。
存在しているように見える事柄も実は仮の姿で実在ではないこと。
「何ものも実体をもたず、縁起であり無常である。」
すべての物や事柄は何らかの物や事柄と関係している。
それは例えば「記憶と忘却」のような相反することの同時存在や、「縁」という人と人との関係、物と物との関係など様々な関係が存在し、それらはすべて相対的関係であり、またそれらはすべて等価に扱われ、それらすべての関係というのは空である。
ここで生の世界から死の世界を物理的存在から精神的存在への移行であると考え、連続する段階的なものとして納骨堂を建てることを提案する。
これは生と死の関係など「関係」を大事にし、関係を分けながらつなげる「間」のような空間である。
2016年8月に完成。2017年度グッドデザイン賞を受賞した。
グッドデザイン賞作品紹介ページ http://www.g-mark.org/award/describe/45793?token=9i3Q4MFYGq