2017年度修士制作|宮本凱土

engramとは、自身の経験や体験によって
脳内に生成される可変的記憶の遺伝子、記憶痕跡である。

自身の建築空間体験によって生成されたengramを
古代ギリシャの記憶術によって標本化する。

体験によって生じた経験(出来事)は、その時の記憶にあるオブジェクトと一体化する。
記憶の中にある空間は、具体的な形を獲得し、Experience・Object・Sizeの3つのtagによって保存される。

断片的な建築空間が収蔵される建築標本。
経験により、集積されたengramは、複数のタグによってネットワークを形成する。

それらを使い、敷地もない、用途もない、施主もいない、建築空間(空間study)を設計する。
建築標本によって作られた建築空間は、建築になる以前の流動的モデルである。